last smile

 

久しぶりに前の職場のことを思い出して悲しくなっている。正解はないけれど、私はあのときにちゃんと心からの感謝を伝えられたんだろうかって思った。気づいたときには末期だった、私のことをレミさんと呼んでくれて、それが本当に嬉しかったから、今のお仕事でもレミちゃんと呼ばれるのが本当に嬉しい。素敵な名前をありがとうと、本当はもっと話したいことが沢山あったような気がするのに、私は結局 社会福祉士にもケアマネージャーにもなりきれなかった。

孤独死も2件あった。夏にまた連絡するから約束だよと、その約束は果たさなかったな。あなたのことは信用しているから、あなたの紹介してくれる人に任せるよと言ってくれた人も、死んじゃった。

ずーっと関わっていて、自分で意志決定できるようにと支援をしていたつもりの人も、休職しているうちに死んじゃった。

デイサービスに1度しか行かないまま、そのまま病院で死んじゃった人もいた。

みーんな死んじゃった。

生きている人もこれから死ぬ。私だって早ければ今日、遅ければ何十年か後に死ぬ。死ぬことが随分間近になったなと思う反面、生きていたこと、存在を忘れてしまった人がいそうで怖い。絶対に忘れたくないことなのに。

感受性OEだかギフテッドだか適応障害だかHSPだか何だか知らないけど、何の役にも立たない。全部適当に名前をつけてカテゴライズしただけ。本当かどうかもわからない不確かなものを順番に並べたところで何も変わらないっていうのに。

 

今読んでいる本が非常に面白い。多島斗志之さんの「症例A」という本。ノンフィクションと思って買ったらフィクションだった。でも病気の診断やその学術的な背景について事細かに書いてあるから勉強になる。

その反面、読めば読むほど精神医学や心理学の領域ほど不確かなものはないなって思うようになった。それでも人間が好きだから、そういった学問領域はとても面白くて、私は今日も自分を含め人の心に名前をつけてわかったような気になっている。どれもこれも後付け。本当に不毛だと思うよ。

何だかとても退廃的な気分だ。